こんにちは。
先日、去年マンサンダルになった友人から
「マンサンダルとワラーチは違うの?」
という質問がありました。
聞いてみると、ワラーチのお友達が「マンサンダルは走りにくい(歩きにくい)」といっているのだそうでした。
それと、マンサンダルではどう歩いたらいいのか?どう走ったらいいのか?
と聞かれたこともあって、私なりに考えて現時点での考えをまとめてみることにしました。
ちなみに、マンサンダルを作って、「歩きにくい(走りにくい)」というときは、マンサンダルの公式ワークショップがおすすめです。
最近では®️もついて、認定マンサンダルアンバサダー的な存在も全国各地におられるようですので、是非ご活用なさって、どしどし、質問してみてほしいと思います。
マンサンダルとワラーチの違いは?
まず、マンサンダルとワラーチは違います。
というか、広義の「ワラーチ」のなかに「マンサンダル」が枝分かれして存在している、という感じですね。
ワラーチは多岐に渡りますが、マンサンダル以外のものをマンサンダル目線でワラーチと呼んでいます。
マンサンダルは裸足に最も近い履き物です。
一言で言うと、マンサンダルは締め付けがありません。
そして、これはあまり知られていないことですが、実はマンサンダルにはヒモトレの要素も入っています。
ヒモトレも本を読んだだけでは理解しにくいものですが、ご一読されてからマンサンダルを取り入れるのはおすすめです。甲野先生も「上達論」の中でmanさんを絶賛されていましたね。
人のカラダが、皮膚に触れてもいない、皮膚から浮いているヒモの存在を感じとっているということを分かっているからこそのマンサンダルのデザインになっているのです。
私はマンサンダル以外のワラーチは試着しかしたことがないです。
皮膚感覚で「マンサンダルのようには動けそうにないな」と思って、取り入れるにいたりませんでした。(ワラーチは多岐に渡るので動きやすいものもあるのだと思います)
マンサンダルの「付かず離れず」の距離感を覚えてしまうと、過剰に感じてしまうのです。
とはいえ、私はマンサンダルを作ろうとした初期の頃は見様見真似で作っていたので、今よりゆるふわりんではなく、それは足やカラダに影響があったと感じています。
つまり、マンサンダルでもマンサンダルでなくなることがあるということです。
コンセプトを理解せずにカタチだけ真似ても、違うのです。
実はトレイル仕様のW-マンサンダルでは、シングルほどのゆるさではないので、シューズのような走り方もできてしまいます。
ですから、W-マンサンダルはシングルを履きこなせるようになってから取り入れるほうがいいと私は思っています。
マンサンダルは最も裸足に近い履き物というだけではなく、皮膚感覚を考えて考案されたものです。
マンサンダル愛用者が衣服にこだわるようになることや、衣服を考える人がマンサンダルを選ぶことは当然のことと言えるでしょう。
そういうコンセプトをもっているワラーチはおそらくないのですから。
これまでシューズのような距離感で皮膚に触れていたものが、ゆるふわりんの距離感になるのです。
当然ながら、これまでの歩き方、走り方のままでは乗りこなせない人が多いでしょう。
マンサンダルはなぜ歩きにくい?走りにくい?
マンサンダルが歩きにくい・走りにくいという場合、ほとんどがシューズに依存した走り方になっているからだと私は思っています。
これは、一時的なものではなくて、案外根深いのです。
シューズのクセはそのまま膝が入ったり、股関節の回転の癖などにもなっていますから、すぐには治らなかったりします。
マンサンダルは「裸足のカラダを思い出す」ことが目的なのです。
思い出していくには人それぞれにかかる時間が違うでしょう。
関節や筋肉が固まってしまっていたり、カラダが傾いたり、変形している場合には、修正には時間がかかります。(私です)
マンサンダルで歩きにくい・走りにくいという人はその歩き方・走り方を改めていかなければマンサンダルを乗りこなせるようにはなりません。
マンサンダルを乗りこなせなくても良いなら、その癖のままでいくという選択もあります。
それは自由なことです。
けれども、なぜ、シューズだとカラダの動きの癖が強まるのかということを考える必要があります。
というか、考えてもわからないからマンサンダルになってみるのです。
シューズであれば、無茶な動きをしても足に縛りつけてあるので、脱げることもなく走れてしまうことに問題があります。
そういう意味では足に縛りつけているワラーチもそうでしょう。
構造的におかしくても、なんだかんだで走れてしまうのです。
マンサンダルはおかしな歩き方・走り方をすると、マンサンダルに乗る事ができませんし、乗れたとしても、すぐにカラダを痛めてしまうでしょう。
なぜなら、マンサンダルにはクッションがなくかなりダイレクトに衝撃をうけるからです。
ですから、歩きにくい・走りにくいのは、マンサンダルが悪いからなのか?自分のカラダの癖がそこに出ているからなのか?と考えてみて、あとはそれぞれの選択だと思います。
おかしな歩き方や走り方をしていると、マンサンダルが歪んでしまったり、乗れなかったり、パラコードがすぐに切れたり、ソールが極端に削れるところがあったりします。
マンサンダルでは裏を見ると自分の動きが見えてきます。
私はまだパラコードが交換するより前にきれたことはないですが、体調が悪い時に数十分という短時間でW-マンサンダルがきれてしまったことがあります。
マンサンダルはカラダを表してくれるようです。
マンサンダルとワラーチの違いは?靴の歩き方、走り方について考えてみた
マンサンダルになって6年ほどたったギボンヌです。
最初の3年はマンサンダルになってもよくわからないで迷走する日々でした。
カラダも痛めました。
それは必要なカラダの学習の経過だったと思います。
今になってみてわかるのは、シューズのときとは歩き方も走り方もまったく変わってしまったということです。
たまにシューズのころの歩き方を再現しようとしてもできません。
なぜかというと、歪んでいた脚(股関節、膝、足首、足指)がまっすぐになってしまったので、真似る事ができないのです。
2022年
小池さんが比較画像を作ってくださった2018年から2021年の変化と、2022年の写真です。
こりゃ、痛めるよね、という脚をしています。
こちらも小池さんが作ってくださった比較写真です。外反母趾も変化しました。
私の足の変化はこちらの記事にあります。
ボロボロのカラダから経験してきたことだからわかることがあります。
ダメダメだった頃の記憶もちゃんとあるギボンヌが、シューズとマンサンダルになってからの歩き方・走り方の違いを解説してみたいと思います。
シューズのころの歩き方・走り方
ギボンヌがシューズのころの歩き方・走り方は一言で言うと「蝶番運動」「コンパス」みたいな感じです。
わかりやすいのはビートルズのアビィロード。
足を前に伸ばして、前足で地面を掻いて、重心を乗り換えてゆき、後ろ足て蹴って進むかんじです。
これって、外反母趾を治すために調べた本に書いていた一般的に正しいとされる歩き方だったりします。
足の裏をゆりかごのように使うのだ、と。
私は外反母趾を改善してきて思うのは、歪んだままで、固まったままでその歩き方をすると、さらに強化されるよね、と思っています。
片足で重心を後ろから前に乗り換えていき、反対の足でまた同じように乗り換えていく感じなので、ヨッコイショ、ヨッコイショ感があります。
踵から着地していたので、重心の真下に足はありませんから、着地ごとにいちいち重心移動します。
街で観察しているとそういう人がとても多いです。
自分が正しい歩き方を探求して、迷走してきたのでわかるのですが。
この歩き方は重心移動しながら関節もつかうので、当然関節には負荷がかかって傷みます。
シューズのときは足が地面に着地している時間が長い感じでした。
大股で歩いていたため、その間、動かない股関節を補足するために腰を振って、足、足首、膝、股関節は捻じられて揺らされる感じに不安定にガタガタしていました。
感覚として強かったのは、地面に踏ん張っている感じや、地面を蹴る反発、筋肉をつかって歩いたり走ったりしている感覚を持っていました。
これは坂道を登るときや、階段を登る時などは如実に現れます。
太ももの前側の筋肉を使って地面を押している感じです。
学生のときに坂ダッシュをしていたときも、そんな感覚が強くて、その通り、太ももの前面がボコっと筋肉がついていました。
あの頃にマンサンダルと出会っていたら、身体感覚は随分と変わっていたのではないかと思います。
マンサンダルになって6年経った歩き方・走り方
ギボンヌがマンサンダルで6年過ごしてからの歩き方・走り方は一言で言うと「回転運動」です。
ギャグ漫画でよくある、足が回転してる、あの感じですね。
感覚的にはカラダの真下に足を着く感じです。
真下に着いたらすぐ足が上がる感じ。
踵が坐骨に近づいていきます。
自然に足も膝も上がって股関節が回転します。
回転している足が、交互にカラダの真下で着地します。
着いたらすぐに足が上がるので、長く地面に足が着いている感じではないのです。
ですからこれによって足、足首、膝、股関節か捩れることが少ないです。
踵が坐骨に近づくだけなので、太ももの前面の筋肉を頑張って使わなくてもよくなります。
坂道や階段を登るときは如実に現れます。
上り坂を転がっていく感じです。
蹴らなくても慣性の法則で進みます。(下りではなく、上りでですよ)
もちろん筋肉が全くいらないわけではないですが、外側の大きな筋肉を多用しなくても、楽に歩いたり走ったりできます。
(私は長く走る持久力はないですけどね。)
そんなふうにシューズとマンサンダルとでは全然歩き方も走り方も違います。
ワラーチはおそらく、シューズの歩き方ができてしまいます。
だから、マンサンダルになると歩き方や走り方を変えなくては乗りこなせないので、「歩きにくい・走りにくい」ということになるのだと思います。
靴の歩き方、走り方を見直すことの大切さ
ギボンヌは、シューズが合わなくなってマンサンダルになったのが始まりでした。
それは、カラダが歪んできたからだったのです。
なぜカラダが歪むかというと、シューズのソールが柔らかかったり、削れたまま、歪んだまま履き続けると益々歪みが増強されるのです。
今流行りの厚底シューズや、アッパーが柔らかいシューズなどはみていて恐ろしいものがあります。
過去の自分をみているようです。
マンサンダルは厚みがないので、歪みが増強されにくいのです。
私にはその環境が必要だと思ったのです。
まったなし!という感じでした。
(ちなみに私はヒモトレに先に出会っています)
シューズと足がズレる、厚みがあればあるほどに足は歪みます。
私は街中でそんなシューズを見るたびに危険だなぁと思っています。
歪んだままであのようなシューズを履き続ければ、いずれどこかに不具合が出るでしょう。
一生自由に歩けるカラダを保つ事が困難になるかもしれません。
たくさんの人がその危険性に気づいて、シューズの癖から抜けて、裸足の足に近づければいいなぁと思います。
もちろん、それはそれぞれの選択であり自由なのですが。
おわりに
私がシューズで歪んだ足、動かなくなった股関節、シューズでついたカラダを傷める歩き方・走り方を改善してゆけたのは、マンサンダルの生みの親であるmanさんがコアなランナーでもない、私のような人にもマンサンダルを広げてくださったおかげです。
マンサンダルはコンセプト自体がなかなか理解されにくいです。
でもmanさんは、伝わりにくい感覚的なことを何度も何度もFacebookやTwitterで発信してくださっていました。
manさんは東京、私は兵庫、ワークショップをやり始められるまでは、直接学べる環境もかなり貴重でした。
私のような一般おばさんを失敗したり、悩んだり、カラダを痛めたりしながらも自分のカラダで学ぶしかないのだと、泳がせてもらえたので、今があります。
今、マンサンダルはどんどん広がっています。
そして、その中にはマンサンダルを乗りこなせないままになる人も一定の割合はいる事でしょう。
合わないひともいるでしょう。
それは仕方がない事です。
出会うタイミングもあるのです。
私はそんな自由な選択のマンサンダルが大好きです。
是非、manさんに直接出会ってくださいね。
最後までおよみくださりありがとうございます。
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